こんにちは、心理カウンセラーの橋本麗子です。
人は思うようにならない現実が目の前にあると、
少しでも早くなんとかしないと、なんとかしたいという思いがわいてきます。
辛い状況であればあるほど、早くそこから抜け出したくなる
その気持ち痛いほどよくわかります。
わたしもずっとなんとかしたい、と思いながらも、
何をどうしたらいいのか、
何をどこから、どう努力すれば変われるのか、
わからなくて長いこと苦しんでいました。
本日は、
クライアントさんからよくお尋ねされる
「変わらなきゃ」という思いに対し、
どう捉えたら楽になれるかアドバイスをお伝えしようと思います。
自分は変わらなければならない存在にしてませんか?
とにもかくにも今は情報時代です。
欲しいワードをひとつ入力すれば、様々なアドバイスや解決法に出会えます。
同じような内容も多々出版されています。
それでも、同じような悩みを抱える人が多いと言う事は、
それらが根本的な解決策にはならなかったからなのでしょう。
「自分が変わらなければ何も変わっていかない」
確かに、
相手の気持ちを自分の思い通りに変えることはできないし、
じっとしていても状況は変わりません。
自分を変えようとすることが間違っているわけではありません。
ですが、それがなんども目に入る度に
人は、なんとか自分が変わらなくては、というループに入っていきます。
「変わらなくちゃ!」との思えば思うほど
その背景にある
「今のわたしのままではダメだ」という思いが
強くなってしまいます。
実は、変わらなきゃと頑張れば頑張るほど、
「変われない自分」が浮き彫りになり
苦しくなってしまうのです。
「変わらなきゃ」と思う背景にはどんな目的がありますか?
「変わらなきゃ」と思う背景にはどんな目的がありますか?
今の状況が辛い
同じ過ちを繰り返している
自分が好きではない
私もかつて「変わりたい」「強くなりたい」とずっと思っていた時期があります。
強くなれば、人の言葉に左右されなくてすむ
強くなれば、傷つかなくてすむ
言いたいことを言えれば、もう少し自分を好きになれるのではないか、
そんな風に考えていました。
「頑張って強くなろう」と認識している意識は、顕在意識。
脳全体の意識でいう3〜5%の力でしかありません。
残りの95~97%の潜在意識は、何を思っているかというと
強くならなければならないのですから、
「私は弱い存在だ」という前提が入っています。
強くあるためには、「弱い」自分はあってはなりません。
すると、
「弱い私」が出そうになると自分をダメ扱いし、
「弱い私」を必死で隠そうとばかりしていました。
当然自分にムチを打つように頑張っている訳ですから、
いつも何かに追われたような感覚で、心休まる時がなく、
できない部分にばかり目がいきイライラします。
おまけに、
自分に厳しいので、自然と周りに対しても厳しい評価をしてしまいます。
いつもピリピリと神経を尖らせていれば、
当たり前ですが、周りとの関係もギクシャクしたものに。
今の辛いから抜け出したかったはずなのに、
かえって、どんどん苦しい状況に追い込んでいきました。
それも、わたしは全くもって無意識に。
変わりたい目的が達成した後の自分を創造できますか?
なんのために「変わりたい」と思っていますか?
かつての私のように、
今の私が嫌だから、今の状況をやめたいから、と言った
”今”の不都合な状態を避けることに理由が向いているうちは、
残念ながら変化は起こしていきません。
「変わりたい」自分であり続けるために、
不都合な問題を作り上げてしまいます。
それよりも、現状況をきちんと理解した上で、
なんのために変わりたいと望んでいるのか、
自分が変わることで、
この先の未来がどんな風であって欲しいと望んでいるのかを創造してみてください。
私は「強くありたい」と願いました。
そのために、「弱い自分をやめたい」と思い続けていました。
強くなきゃと思えば思うほど、
心の奥では「弱い自分」がそこにあって、その自分を否定し続けるのです。
でも、なぜ「強くなりたいのか」
自分の正直な気持ちを突き詰めた時、
実は、ただ強くありたかった訳ではなく、
「自分の気持ちを自由に表現し、自分の意思で実行できること」だったのです。
「人の言葉に左右されない」
「思ったことを口にする」ことが強い心を持った人であるかと言えば、
事実はそうではありません。
時には、頑固と表現されたり、わがままと思われたりします。
私の中の「強くありたい」根底の思いに気付いてもなければ、
「強い」という基準も曖昧でした。
それで、変わりたいと思っても、変化が起きるわけがありません。
どんどん自分の願いとは違う方へと行ってしまい、
なんかおかしいと苦しくなるもの当たり前でした。
変わると言っても、心の奥底にある本当の願い人それぞれです。
だから、自分の思いに気付いてあげてください。
本当の自分に気付いていけば、、、
わたしから見て大きく変化をしてきたクライアントさんの多くは、
「自分が変わった」という自覚はありません。
「最初に出会った頃から様子が変わりましたね。」と言っても
「わたし変わったんでしょうか?」というお返事。
ですが、
周りの状況が変わってきました。
なんだかとても楽で、毎日が楽しいのです。
お仕事の良いお話を思っても見ない所からもらいました。
ママ、最近笑っているねと子供に言われました。
と言ったお返事が返ってきます。
これは、自然の流れに従い、良い方に向かっている証拠。
自分から「わたし変わったでしょ?」という方は、
変わったことに意識がある以上、どこかで意図的なものが働いています。
表面的な変化を起こそうと頑張っているだけで、根本的には変わってない方がほとんどです。
ですが、
変わったことに意識がない方は、
そもそも無意識下にある、
ご自身が最初から持って生まれてきた気質が表に出てきただけなので、
本人は無自覚に近いのではないかと思います。
ただ、感覚として、なんか前より少し楽になったかな、
そんな感じがするのなら、確実に変わっているはずです。
それは、「本来のあなたの姿に還っていっている」ということだからです。
なぜ本来の自分で生きられないのか?
なぜ本来の自分が隠されてしまい、
もともとの気質が活かされなくなってしまったのかは、
その人の本能を押さえ込んでいる「理性」や「知識」です。
「〇〇してはいけない」
「〇〇すべきだ」
「〇〇しなければならない」
親から受け継いだエゴや思い込み、
これまでの経験を通して学んでしまった抑制する心、
そして、世間体や世間の常識、
いわゆる無意識層の中に押し込められてしまっている「固定観念」というものです。
固定観念の全てが悪いわけでも、必要でないというわけではありません。
そうではなくて、
今を生き辛く感じている原因となる固定観念、
つまり自分だけの思い込みは、外れれば外れるほど、
素の自分が顔を出してくるので、
自由で柔軟な発想が生まれ、心が軽くなり解放されるのは間違いありません。
そもそも
「変わらなきゃ」と感じるくらいですから、
今の自分は本当のわたしではない、と無意識層では自覚があるのです。
「気付いて!」と教えてくれているのです。
その声を世間の常識や周りの環境で押し戻さないであげてください。
今日のまとめ
「変わらなきゃ」に意識が集中してしまうと
そこにとらわれてしまい、頑張り続けてしまいます。
もしくは、頑張れない自分を責め続けてしまいます。
① 「 変わらなきゃ」と自分を責めない
② 「変わらなきゃ」の背景にある否定している自分の前提に気付く
③ 「変わりたい」本当の思いを知る
④ 「変わる」ことの目的とその後のありたい自分の姿を創造する
⑤ 「ありたい姿」を妨げている自分の中にある固定観念に気付く
人間生きていれば、苦しいことは多かれ少なかれ、必ずあります。
「楽に、簡単に、すぐに」
辛い思いは味わいたくないのが、心情で、
そんな言葉に惹かれてしまいますけれど、
私たちは、この世界にこの身体を持って味わいたかった一つの人生があるのです。
だから、自分の感情を目の前に起きた出来事を避けようとせず、
静かに見つめてみてください。
海の中で、溺れまいと慌てて力を入れて抵抗すれば、かえって沈んでいきます。
苦しい時こそ、沈んでしまいそうになる時こそ、
力を抜いて、身を預け、静かに状況を受け止めてみてください。
自分を責めても、周りを責めても、何も変わっていきません。
それよりも、自分を味わってみてくださいね。