前向きになれる方法がわからないと感じている方へ
心理カウンセラーの橋本麗子です。
「どうやったら前向きになれるのか、それができなくて」
「ネガティブな自分が嫌です」
このようなお話を伺うことがとても多いです。
世の中の傾向でも
物事はポジティブに考えるべき
ポジティブに考えないと願いは叶わない
このような情報が流れてきてしまうので、
ついネガティブに物事を捉えたり、考えたりしている自分は良くないと思い込んでしまいがちです。
でも、
上という存在があるから、下という存在との区別ができ、
右という存在があるから、左という存在との区別ができます。
片方があるから、もう片方が存在します。
ということは、
ポジティブでなきゃ、と強く思うことは、
ネガティブは、いけないこと!と強く感じてしまうことになり、
余計ネガティブの色が濃くなっていくのです。
人である限り、綺麗さっぱり悩みがなくなるということはありません。
でも、悩みをネガティブだけにとらわれない心のあり方は身につけることができます。
なので、
なぜネガティブな思考が生まれてしまった原因と
どうしたら、ネガティブであり続けずにすむのだろう?
そんなお話をしていこうと思います。
やってはいけないこと
相談する人を間違えない
ネガティブな人からすると、いつもポジティブな人は憧れますよね。
私も、その秘訣を知りたくて、
どうしたらそんなにいつも明るくできるのか、
昔、友人に相談してみたことがあったのですが、
正直なんの解決にもならなかったことがあります。
「なんでそんなこと気にするの。気にしなきゃいいんだよ。」
「もっと明るい未来を想像してごらんよ」
もっともなのですが、その言葉にとても傷つきました。
だって、それができないから悩んでいるんです。
「そんなこと」と言われるようなことを気にしてしまう自分が悪いんだ、
明るい想像ができない自分は何かおかしいんだ、と
どんどん負のループに。。。
でも、今ならわかります。
ただ相談相手が違っただけなんです。相手が悪いわけではありません。
もともと細かいことを気にしないから、おおらかで明るいのが長所で魅力。
それがその人にとっては当たり前の状態で、
当たり前だから秘訣なんて聞かれても、説明のしようがありません。
細かいことが気になってしまう私だって、それが当たり前の状態ですから、
どうしてそんなとこ気になるの?と聞かれても、
答えられないし、わからないのと一緒なんです。
また、
それとは反対に
同じように同情しすぎる人、感情に寄り添いすぎてしまう人も
やめておいたほうがいいです。
それは大変、それは辛いね、と気持ちをわかろうとされてしまうと
自分は本当にかわいそうな人なんだという思い込みが入ってしまいます。
ドラマのヒロインと一緒ですね。
ドラマのヒロインは、これでもか!と災難がやってきます。
ライバルや意地悪な人が次から次へ。事故にあったりまでしちゃいます。
そこを乗り越えて、頑張る姿に、心を重ね合わせてしまうのですが、
生の人間のストーリーは、ドラマのように全10回で終わるわけではありません。
その先もまだまだストーリーは続くので、
そこに浸かってしまうと、抜けるのに時間がかかってしまいます。
友人ならば、なんとかしてあげたい、聞いてあげたいと思うのは、自然なことです。
ですが、その思いが、
本人の力で抜け出すきっかけを妨げてしまう場合があります。
相談するなら、中立で聞いてくれる人、
落ち込んだ経験から、乗り越えて変化したと感じる人に話してみてください。
話しを聞いてもらうと言うことは、
心の整理がつく、究極の癒しでもあるからです。
根本的な気質を変えようとしない
友人の言葉に傷ついたお話をしましたが、
実は、「傷つく」という行為も決して良くない経験ではありません。
「傷つく」ということは、「気付く」ということだからです。
先ほどのおおらかな人との話と繋がるのですが、
無意識でやっていることで、それが当たり前のことならば、
傷つくことはないし、気付くこともありません。
おおらかということを短所ととらえると「大雑把」とも言えるわけで、
相手の心の機敏さには気付けません。
ですが、
ネガティブで落ち込みやすいのを短所とするなら、
長所は、とても繊細で、心の機微に優れているということができます。
長所というのは最初から当たり前のようにできているから、
本人が気付くことはほどんどありません。
でも、短所や欠点は、それによって損をしたり、傷ついたり傷つけたりすることがあるので
目に付きやすいのです。
気付きやすい分、一生懸命直そう、としてしまうのですが、
短所を直そうとすることは、
「あなたらしさ」である本来の良さまで変えようとしてしまうことに繋がります。
それでは、難しいし苦しくもなります。
二つの意味を併せ持つなら、あなたの良さを消さないためにも、
短所を短所として、否定したり、隠そう、消そうとしないで、
ご自身の気質として受け入れてみてください。
前向きに考えられない思考は脳の働きが原因
前向きに考えられない思考は脳の働き
ネガティブのトンネルから抜け出せば、
明るいまっすぐ平たい道が続くのかというとそうではありません。
晴れの日があれば、曇りも雨もあるわけで、そこをどう感じていくか、
それが、物事に対する「捉え方」です。
では、なぜ、ネガティブではない捉え方ができないのかというと、
簡単に言うと、脳がそのように常に働いてしまっているので、
他の捉え方があると、気付いていないからです。
私たちの脳の中は、幾つもの神経細胞が張り巡らされています。
外からの情報をキャッチし、身体全体に指令をする働きをします。
簡単に例でお話してみましょう。
例えば、
今 これを読んでいただいている場所から、
「席を立って飲み物をとってこようと台所まで行く」をイメージしてみてください。
お部屋の広さにもよりますが、
その動きは、時間にしたら、たった10〜15秒でしょうか。
たった、10秒ほどに、実は、脳はおそろしい程の数の情報処理をしています。
その数は、1秒間に2000ビット。
でも、実際に脳に届いているのは、1秒間に4000億ビットもだそうです。
たった10秒の「席を立って飲み物を取る」という行為の中には、
席を立つ身体の動きだけでなく、
どこかに身体をぶつけないように家具から避けたり、壁の位置を測ったり、
何を飲むか、家に何があるか、
そして、飲み物がある場所、飲み物を入れる物をありとあらゆることを
記憶から呼び戻していきます。
(実際には、もっともっと細かくなのはお分かりになりますよね)
それが自然にできるのは、無意識層の中にある記憶の習慣のおかげです。
覚えていなければ、
それが飲みモノであるとか、コップであるとか、知る由も無いからです。
つまり、それで何を言いたいかというと、
私たちの脳は、このようなことを目が覚めている間ず〜〜〜っと続けてくれていて、
一日のほとんどの動きは、
過去の記憶や習慣で無意識に繰り広げられているということなんです。
そうなると、「前向きに考えられない」ということも
いつかどこかで、前向きに考えられない習慣を身につけて
それが積み重なってしまっているために、
前向きに考えるやり方、知り方を気付いていない脳の動きをしていると言うことになるのです。
前向きに考えられない脳ができた原因
これには、やはり幼少期の経験が大きく影響します。
子供の脳はとても柔軟で、脳の神経細胞は2歳に一番ピークで
15歳から減ってくるそうです。
前向きに考えられないと言うことは、
幼少期にネガティブな言葉をたくさん耳にする環境に育ったり、
自分をありのままに表現することを頻繁に否定された経験をしたと言う方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
私たちの現実世界は、
先ほどの説明のように、無意識に動いてしまっているのがほとんど全てです。
本当は、他のポジティブな情報も知識もちゃんと脳の中には入ってきているはずなのですが、
脳の神経は、新しい情報を入れると作業が膨らむので横着して拾いません。
だからスルーをあえてしてしまいます。
と言うことは、これまでスルーしていたものに気付くよう意識して、
脳に覚えていってもらえばいいのです。
それを言うと、
前向きになれない人は、私にできるのだろうか?という不安が
出てきてしまうと思うのですが、
やった経験の無いことをしようとするのは、
どんな人でも結果がわからないので不安になります。
脳の横着のお尻を叩こうとすれば、逃げようとするかもしれません。
いやいや、私は変わりたいので、やってみる!
その気持ちと勇気が一番大切なのです。
オススメの実践 3つ
前向きになれる方、
幸せを感じられる方で
私が実践してきたことや、クライアントさんにもオススメしたアイデアを3つ
お伝えしたいと思います。
自分の人生ですから、自分の脳ですから、どうするかは自分で決めるしかありません。
過去がこうだったから、、、という思いを引きずるということは、
脳はこのままでいいんだ〜と思ってしまうことになります。
ネガティブをやめたいと感じるなら、「やめます!」と脳に宣言してあげてください。
そこに理由は入りません。
親からの影響が大きいと感じるようでしたら、
切り離すイメージを繰り返し、
親とは別の人格や考え方も持った一人の人間であることを意識していってください。
ネガティブに捉えてしまう根底には、
多くの固定観念(こうすべきだ、こうでなくてはならない)に縛られていていて、
それが無意識の習慣になっています。
そこに気付いて壊していきましょう。
本当にそうなのか?
別なシチュエーションだったらどうなのか?相手の立場だったらどうなのだろう?
100人いたら、100人とも同じように考えるのか?
と考えてみるものいいです。
自分の面からの視線を、別な視線から捉える練習をしてみてください。
幸せになれる感覚を創るには、
1脳を休めてあげること。
2どんな時に幸せを感じるか気付くこと
です。
悩んで眠れないという方は、神経がずっと働いて緊張しているために、
自律神経が乱れてしまい、体調も崩れがちになります。
携帯やテレビから距離を置き、
長い時間でなくてもいいので瞑想をしたり、
太陽の日差しを浴びて自然の中でボーとしてみましょう。
悩みがあると解決したくて、やたら検索をしたりするのですが、
それは逆効果です。
自然に触れることを意識してみてください。
そして、自分は「これを幸せと感じる」
「こうしていると明るくなれる」という感覚に気付き、脳に覚えてもらっていってください。
全体を通したアドバイス
実は、前向きになれない人は、イメージをすることができない人がとても多いです。
良いイメージをしてもらおうとすると
理性が働き、現実との差でイメージを止めてしまいます。
でも、脳と言うのは、バーチャルと現実の区別ができないため、
脳の中に幸せなイメージを妄想でもいいので、
たくさん膨らませたほう勝ちなのです。
それには、幸せだと感じることを積極的に気付き、
柔軟な思考でイメージしやすい脳を創ってあげてください。
年齢を重ねた分だけ、無意識の習慣は積み重なっています。
一回で、ハイできた!ということはありません。
小さな時、自転車に乗れるようになるために何度も練習したように、
幸せの感覚を身体に、脳に覚えてもらう必要があります。
ゆっくり焦らずいきましょう。
最後に
私もどちらかといえば、すごくネガティブで、
全てポジティブに考えられているのかというと、
今でもどうなのか、はっきりわかりません。
多分カウンセラーというお仕事をしている人で
最初から超ポジティブだという人はいないのでは無いでしょうか。
以前は、「未来」と言うものを考えようとすると
途端に、脳は考えるのをやめ悲観的になっていました。
過去の経験から、「未来を想像することが難しかった」のです。
でも、今、気付いていることは、
たくさんあった過去の闇は私の大切な一部であり、
それを否定したり、消してしまおうとすることは、
今の私の存在まで無くしてしまうと言うことです。
過去があったらから、今生きて、幸せを感じることができます。
ネガティブの思いはあってもいい、その気持ちを知ってるから、
今、たくさんの幸せに気付き、
その時間をとても貴重なものと楽しむことができるようになりました。
ネガティブの存在の反対は、ポジティブです。
たくさんのポジティブがすでに脳の中に詰まっていて、
ただ気付いて表に出してあげるだけと言うことに気付いてくださいね。
コメント